畑1年生、1ヶ月、3つの学び

新入学の皆さんより少し早く、畑1年生になってから、ずっと土のご機嫌をうかがっていたから、今年は、目に映る桜の色がまぶしかったな〜。

土の神さまにお塩を供えてごあいさつをして、肥料や道具の力を借りて、畑ってどんなもの?と始めてから1ヶ月、私が学んだことが3つあります。


まず 1つめ。畑でしてた事は、土に土壌改良剤をすき込んで1週間待つ、さらに 肥料をすき込んで2週間待つ、その間、何度も土を起こして空気を入れる。次は、苗を植える準備のために、畝を作り、土の温度を上げておくためのフィルムを張る。なーんて、通う度にに変わる茶色のグラデーションを観察する毎日。
次は、苗の準備。種を植えてから芽が出るまでの時間のじれったいこと。前のめりになる私は、水をあげ過ぎて レタスの苗を枯らしたり、植え付けの時期を計りかねて じゃがいもの芽が出ない事にやきもきしたり、try & errorを楽しむ?というより翻弄?されています。
クリックすれば、明日欲しいものが手に入る、ボタンを押せば、望んだ結果がすぐに現れる、というリズム感が染み付いていた私には、自然を相手に”土の熟成”を “種の成熟”を 「待つこと」を学んでいます。

2つめは、天気予報。これまで 予報が気になるのは「明日は何着よう?」と考えるためだったのに、畑を始めてから、「次は何しよう?」と作業の予定を立てるために週間天気予報を見るようになったことです。畑での作業は、土が湿っている時がいいこと、逆に乾いた日の方が都合がいいことがあるなんて、今まで考えたことなかった! 野菜それぞれの個性に合わせ、快適な環境を作り、愛情をこめてメンテナンスしていくのが、畑の仕事(らしい)。
夕方の空を見上げながら、明日の仕事を組み立てる知恵を私もさらに蓄えていきたいものです。

3つめ。昨年観た『人生フルーツ』というドキュメンタリー中で建築家の修一さんが奥さまの秀子さんに 言った言葉「まずは手を動かしてごらん。手を動かしたら、わかることがあるから」を実感できたこと。
今回 私は手を動かすことで、土の重さを感じ、1粒の種の小ささを知り、アンテナで受信できる周波数が拡がった感じ。土を耕すって、身体だけじゃなくて、心のトレーニングにもなる予感!!

「風が吹けば 枯葉が落ちる
枯葉が落ちれば 土が肥える
土が肥えれば 果実が実る
こつこつ ゆっくり 人生フルーツ」
観た時はふーむ、と思って聞いていた樹木希林さんのこのナレーションが、畑1年生になった今、じわじわとしみこんできています。

「便利」のために自分の力を放棄しそうになりがちな私に響いた映画です。 よかったらぜひご覧になってみてください。