25年前のインタビュー

IMG_2635ここのところ、取材で、fringeのお話がきっかけとなり
思いがけず これまで私がしてきた仕事に興味をもっていただくことが続いています。ありがたいことです。
必要にせまられ、クローゼットの奥から 仕事をした雑誌の切り抜きのスクラップはあったかしら?と捜索していたら、25年も前に自宅で受けたインタビュー記事を発見しました。

当時お仕事をさせていただいていた「POPEYE」という雑誌でインテリアスタイリストとして このお気に入りのイスについてお話ししています。

以下、長くなりますが記事を引用します

「何でもない椅子が教えてくれた何にもない部屋の心地よさ。」

この春、恵比寿から東京タワーの見える麻布のマンションに引っ越した福永さん。そろそろ半年になるけれど、いまだに彼女の部屋には、信じられないくらいモノがない。ベッドと最低限の収納用品と電気製品。色も、白か淡いベージュやグレーなどのモノトーンだけ。
その中で唯一、家具らしい家具、色らしい色といえそうなのが、この椅子。
「初めて見たとき、木だっていうことで気になって、実際に座ってみてもすごく座りごこちが優しい。それで気に入って、即、買ってしまったんです」
それまで住んでいた部屋は家具付きで、確かに便利だったけれど、そこに自分のモノも加わって、まさに物が部屋中を占拠するような状態に。
加えて、物を見て物に触るのが彼女の仕事、物から解放されて部屋に戻ったら、また物でいっぱいという生活は、彼女にとって圧迫感以外のなにものでもなかった。
何でもお金で買える今の世の中、物は捨てるよりも増やすほうが簡単だ。そんな生活を再構成したくて引っ越した彼女だが、どうやら効果は十分のよう。
「何もない部屋に引っ越して、初めてこの椅子を手に入れて。今は、こういう仕事をしているからこそ、家には何も置きたくないとつくづく思いますね。」
今の彼女のモノ選びのポリシーは、もし火事になってしまっても、燃えたら灰になってしまう物しか置かない。紙とか木とか布とかでできている物しか手に入れない、ということでもある。
でももし火事になったら、この椅子をもって逃げたりして?
「ううん『今まで、気持ちよく座らせてくれてありがとう。バイバイ』って、感謝しながら置いていくつもりです。」

引用終わり

当時の私と今の私、たぶん同じことを言ってる。
それは、ブレてない、というべきか、進化してない、というべきか。。。う〜ん。
それはたぶん、放浪の旅にでて やっと故郷に戻ってきた感じ、なのかな。

IMG_1430このイスはシェーカースタイルのダイニングチェアで
その後何度かの引っ越しにもついてきて、今は fringe に落ち着いています。
手になじみ、いい色になってきました。
fringeにいらしたら、ぜひ腰掛けてみてくださいね。