「ワルツ」お勉強会レポート

IMG_28499/23に 舞台「ワルツ」のプロデューサーであり、脚本、衣装を手がける宮本尚子氏をお招きし、舞台を観る前にインプットしておくと もっと舞台が楽しめますよ!というお勉強会を開催しました。

まずは、ファッションの歴史を年代を追っておさらいしながら カミーユ・クローデルの生涯をご紹介。
1864年 ブルジョア階級の家庭に生まれ、19世紀後半 いわゆる ベルエポックと呼ばれる時代の Parisで彫刻家としてのスタートをしたカミーユ。その頃の社交界の女性たちは、男性に愛され、良妻賢母として生きることが唯一の幸せだと教育され、だれもそれを疑いませんでした。彫刻家としてアトリエで男性に混じり 汚れた服をいとわずに立ち働く カミーユは それだけでも異端の女性。師と仰ぎ、その右腕ともなった ロダンとの恋愛や彼を取り巻く社交界から感じる火花は、やがて彼女の精神を蝕んでいき、そのエキセントリックな言動から、家族によって48才の時に 強制的に 精神病院に入れられてしまいます。以降 彼女は心を閉ざし、毎朝 礼拝堂へ通うことだけを日課にした30年( ! )を過ごし、1943年 誰にもみとられずに 亡くなります。

その才能ゆえに 母からも疎まれ、その激しさからロダンからも困惑され、ただ「愛してほしい」という純粋な想いが満たされなかった 「孤独」は 勉強会に参加してくださった皆さんそれぞれの “今まで” と ”これから” に響いたようです。

お話を聴きながら 私が感じてたことは。。。
女性としての幸せは、男性に庇護され、家庭を守り、つつましやかに生きること、とされていた時代に 女性が身につけていた コルセットはなんだか 象徴的だな〜ということ。1700年代に流行した デフォルメされたドレスやヘアスタイルとともに女性の体型を「お人形」のようなフォルムに矯正するコルセット。 ドレスの流行の変化に伴い、一度は 姿を消したものの、100年の時を経てまた復活したのだそうです。しかもそれを身にまとう女性自身が 一度ゆるやかになってはみたけど、やはりこれがなくちゃ、と選んだ結果だという。当時は「自由を得るよりも庇護されていたい(窮屈のままがいい)」という 選択だったのかも?
そう考えると、充分過ぎるほど 女性が自由に解放的になっていた 1990年頃になって コルセットを模したボディコンシャスな服が流行したのは 少し不思議な感じだけど、現代版コルセットは「私をコントロールするのは私自身である!」という宣言のようにも感じます。情報もあふれて、選択肢が増えた分、悩みの幅も広がったんだけど、ね。
「お人形」として生きることを拒み、孤独のまま葬られた カミーユ・クローデルが 70年の時を経て 現代を生きる私たちに 舞台「ワルツ」で伝えたいことって何だろう?

公演詳細はこちらのサイトをご覧ください。
GAIADAYSFUNCTIONBAND

公演当日までのメイキングをつづったblogはこちらです。