永い言い訳

nagaiiiwake原作がある映画は、観てから読むか?読んでから観るか?悩ましいものですね。西川美和さんの「永い言い訳」という作品、観てから、2回読みたくなった、と消化するのにだいぶ時間がかかる 手強くも  すばらしい物語でした。文庫本は、近景と遠景のカバーが2種類ついていて、読んだ後に見返すと ふむ,なるほど〜、な美しい仕掛けになっています。

オトナになるにしたがい、何かを怠ったことの言い訳って、バリエーション豊かに、しかもすごいスピードで思いついてしまいます。それはきっと 自分のダメなところから目をそらすため、あるいは自分が傷つかないですむような、ある意味 防御本能のようなものなんだなぁ、と感じました。まるで 心にできた かさぶた。できれば、かさぶたをはがした時のチリチリとしみる感覚をひとりで味わってほしい作品です。観るたび、読むたびに登場人物それぞれに自分が投影されるはず。

さらに、私の収穫は、この映画で独特の存在感が目に焼きついてしまった 竹原ピストルというミュージシャン。家に帰ってyoutubeで探してみたら、分厚くなった 私のかさぶたをメリメリとはがしてくれる彼の唄に出会いました。これまたしみるんです。。。イヤフォンしてぜひ聞いてみてください。

自分でかさぶたをはがす勇気のない時には、誰かの力ではがしてもらうのことも大事かもしれません。それに かさぶたがはがれるってことは、しばらくはしみるけど、再生していくことなんですよね〜。